機械翻訳について翻訳者さんの体験談

2022年5月26日 10時12分

先日、翻訳者さんから体験談をお聞きしました。

翻訳者さんが日本語原文と英訳原稿のチェック案件を相談された際、
その英訳原稿に目を通したところ、
すぐに違和感があったそうです。

日本語で書かれている言葉は確かに英訳原稿にも反映されているようですが、
生身の人間(翻訳者)であれば、このような訳出はしないだろうという箇所が
いくつもあったそうです。

やはりその原稿は機械翻訳によるものだったそうで、
どのような翻訳ソフトを使って英訳されたかわかりませんが、
論文の英訳には機械翻訳は向かないのではないかと感じたそうです。

さらに翻訳者さんは続けて、

「マニュアル文書などであれば、決まった用語や表現を多用するため、
機械翻訳や翻訳支援ソフトを導入することで、
表現の統一もしっかりとでき、完成までの期間も短縮でき
翻訳料金も抑えることができメリットが多いように思われます。

しかし、マニュアル文書とは異なり、
内容や表現が独特な原稿や最先端の研究内容である論文などには、
機械翻訳でその分野に応じた用語を選択したり、
和文の真意を理解したりして、
高品質な英訳をすることは難しいのではないかと思います。

さらに自身が過去に書いた論文のメソッドなどを
新しい論文でも同じ文章や表現で使用してしまうと、
AIなどによるチェックがなされて、
盗用ではないかと判断されてしまうこともあるため、
機械翻訳で同じ英文を使用するのは望ましくないと思います。

長年かけて研究してきた成果である論文を
英語の悪さでリジェクトされてしまうのは非常にもったいないため、
海外投稿の最終段階で、品質よりも安さを売りにするようなところへ
翻訳や英文校閲(ネイティブチェック)を依頼してしまうと
レビュワーに論文内容を読んでもらえないと思います。」

とおっしゃっていました。

上記は個人の体験に基づく感想のため、
機械翻訳や安さを売りにすることのすべてが
英語論文には合っていないとは言い切れないと思いますが、
少なくとも翻訳者さんがご覧になった原稿は、
とても海外投稿できるような原稿ではなかったそうです。

翻訳会社を選定する際の参考にしていただけると幸いです。

ちなみに私の経験ですが、
事前にお客様から機械翻訳された論文原稿と聞いておらず、
校閲者(ネイティブチェッカー)に原稿を見てもらった際、
何を言いたいのか全く理解できない原稿は英文校閲なんてできません
強く断られたことがあり、お客様にお伝えしたところ、
機械翻訳ではダメですね、と言われたことがありました。

日常的に使うような表現であれば、
最近の機械翻訳は支障なく英訳してくれているように感じますが、
論文などの原稿ではまだ難しいのかもしれませんね。

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