イギリスのカジュアルさとユーモア

2024年7月17日 17時17分

イギリス人は皮肉めいた冗談が好きという話を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、
実際のところはどうなのでしょうか?
英国はウェールズに住むネイティブ校閲者がブリティッシュ・ユーモアについて話を聞かせてくれました。
 
※英語原文は日本語記事の下に掲載しています。
 
ユーモアは万国共通のものであり、
正しいようにも誤っているようにも働くロジックに基づいている
(と私は思います)が、イギリス人には独特のユーモアのセンスがあり、
他の国で見られる典型的なユーモアとは異なるところがあります。
 
私はフランスのユーモアについては多少知っていますが、
それは時にシュールなものです。
(小さな男の子:「お父さん、どうしてあの男の人は棒を振って
女の人を叱っているの?」
お父さん:「叱っているんじゃないよ。彼はオーケストラの指揮者なんだよ。」
男の子:「それならば、なぜあの女性は叫んでいるの?」)
 
また、アメリカ人のユーモアは、
アメリカ人の他国に対する無知に関するものがよくあります。 
(カナダをドライブ中のアメリカ人カップル。
給油のためにガソリンスタンドに立ち寄った。
男性が支払いにスタンド内に入ろうとすると、
妻が 「私たちがどこにいるか店員に聞いてきて!」と大きい声で叫んだ。
そこで夫は中に入って支払いを済ませ、
「ところで、ここはどこなの?」と尋ねた。
店員は 「サスカチュワン州サスカトゥーン」"と答えた。
男は車に戻り、妻が 「ここはどこ?」と聞いた。
「分からない。店員は英語を話さないから。」と夫が答えた。)
 
私が住んでいるウェールズのカーディガンは、
人々がお金を使いたがらないことで有名なところです。
カーディガンの典型的なジョークを紹介しましょう。
(ある晩、一人の男が数マイル離れたところから
カーディガンまでタクシーに乗った。
町に着くと、彼は運転手に金物店の前で停車するように頼んだ。
運転手が理由を訊ねると、
「50ポンド札(=8,000円くらい)を
あなたのタクシーのどこかに落としてしまいました。
それを探すために、懐中電灯が必要なのです。」と答え、
彼は1、2分ほど店に入り、出てくるとタクシーは姿を消していた。
彼は数分で家まで歩いて行った。)
 
イギリス人は公式の儀式や愛国的な式典には感動しますが、
普通の生活では形式的なことを嫌い、見知らぬ人との会話や冗談を楽しみます。
バス停などで3人以上が一緒に待っているような状況では、
すぐに会話が始まり、たいていは天気や政治について
ユーモラスに文句を言い合います。
愚痴を言い合うことで、イギリス人同士は友だちを作ることができます。
 
私たちは皮肉(本心とは反対のことを言うこと)が好きで、
控えめな表現を使います。
例えば、パーティでイギリスのチェスチャンピオンと話し始めたとして、
その人にどれくらいチェスが上手なのかを尋ねたら、
「not bad(下手ではない)」という答えが返ってくるでしょう。
 
また、イギリス人、権力者、特に政治家や王室をからかうのが好きです。
私が好きなジョークのひとつに、
イギリス女王が他国の首相とバッキンガム宮殿の近くで
馬車に乗っているというシーンがあります。
馬の一頭が盛大におならをすると、
とても恥ずかしそうに「本当にごめんなさい」と女王が言い、
「大丈夫ですよ」「おならをしたのは馬だと思っていました」と答える首相。
 
数年前には、イギリスのテレビで、
人形を使って有名人をあざ笑う大人気のコメディ番組がありました。
このようなジョークはフランスやアメリカでは考えられないことです。
下の写真のこの人たちが誰かお分かりですか?
 
 
 
 
 
(英語原文)
British informality and humor
 
Although humor is international, and (I think) is based on logic used in both the right way and the wrong way at the same time, the British have their own sense of humor that differs in some ways from the typical humor that is seen in other countries. I know something of French humor, which is sometimes surreal. (Little boy: "Daddy, why is the man scolding that lady by waving his stick?" Father: "He’s not scolding her; he’s the orchestra conductor." "Then why is the lady shouting?") and of American humor, which is often about American ignorance of other countries. (An American couple is driving through Canada. They stop at a gas station to fuel up. As the man goes into the station to pay, his wife calls out to him, “Ask them where we are!” So the husband walks in, pays, and asks, “By the way, where are we?” The attendant answers, “Saskatoon, Saskatchewan.” The man goes back to his car and the wife asks, “Where are we?” “I don’t know - he doesn't speak English," replies the husband.)  I live in Cardigan, Wales, where people are famous for not wanting to spend any money. Here is a typical Cardigan joke. (One evening, a man takes a taxi to Cardigan from several miles away. Once they’re in the town, he asks the driver to stop outside a hardware shop. “Why?” asks the driver. “Well, I’ve dropped a £50 note (~ ¥8,000) somewhere in your taxi. I  need to buy a flashlight so that I can find it.” He goes into the shop for a minute or two, and when he comes out, the taxi has disappeared. He walks to his house in a few minutes.) Although the British are moved by official and patriotic ceremonies, they dislike formality in ordinary life, and enjoy talking and joking with strangers. If three or more people have to wait together, such as at a bus stop, a conversation will soon develop, usually complaining humorously about the weather or the government. Sharing complaints is how British people make friends with each other. We like irony (saying the opposite of what we mean), and use understatement: for example, if you began talking to a British chess champion at a party, and asked them how good they were, the answer would be ‘I’m not bad.’ The British also like to make fun of authority, particularly politicians and the Royal Family. In one of my favorite jokes, the Queen is riding in a horse-drawn carriage near Buckingham Palace with a Prime Minister from another country. One of the horses farts loudly. “I’m very sorry,” says the Queen, very embarrassed. “That’s quite all right,” says the visiting Prime Minister. “Actually, I thought it was one of the horses.” A few years ago, there was a very popular comedy program on British TV, in which puppets were used to mock famous people. This would be unthinkable in France or America. See if you can guess who these people are!
 

〒300-1206
茨城県牛久市ひたち野西3-12-2
オリオンピアA-5

TEL 029-870-3307
FAX 029-870-3308
ワールド翻訳サービス スタッフブログ ワールド翻訳サービス Facebook ワールド翻訳サービスの動画紹介